大宇陀の町

町にひきつけられるということ、あるんですね。
なにが、わたしの気持ちをひきつけたのか、自分でも分かりませんが、町の佇まいと、空気が独特です。

奈良盆地南東、奈良、大阪、伊勢、吉野からの地理的な条件も良く、昔から大変栄えた町です。
奈良時代には、阿騎野は天皇の狩場であり、柿本人麻呂の歌
「ひがしの野に かぎろひの立つみえて かえりみすれば 月かたぶさぬ」とうたわれた場所です。
織田氏の城下町であり、林業の商談の場でもあったようです。

その面影を残して、今はひっそりとしています。
過去の町の豊かさを表す町屋は、広々と、贅を尽くた町並みです。

この町は、ほんの30年ほど前、林業がまだ盛んだった頃まで賑わっていたのだそうです。
今は、静かに眠っているような町です。

奈良の山間の町ですが、決して、田舎びることなく、凛とした佇まいが、わたしを引き付けます。

わたしには、縁もゆかりもない町なのに、何故かこの町に人の賑わいを取り戻したいと、強く感じました。
それは、観光化された賑わいではなく、町屋が内から息づくような賑わいであって欲しい。
あの家、この家に灯りがともり、子どもたちの声が聞こえる町。
そんな町になって欲しいと、心から感じました。

それが、「牛丼」にどうつながるか?
それをおいおい書いていきます。