古典芸能と現代劇のコラボ「一角仙人異聞」
菟田野にお住まいの能のシテ役、斉藤信隆さんは、「件‐kudan‐」のお客様です。
その齊藤さんが主宰された、「一角仙人異聞」を観て来ました。
15日(土曜日)大阪の大槻能楽堂で上演されました。
能「一角仙人」は、人と鹿との間に生まれた額に鹿の角を一本持っている仙人は、ちょっと、困った偏屈もの。
その仙人、龍に怒って、岩に閉じ込めてしまいます。
龍が閉じ込められたせいで、雨が降らず、人間たちはオオ弱り。
そこで、一計を講じます。
宮中一の美女に、仙人に色仕掛けでお酒を飲ませます。
神通力のなくなった仙人のせいで、龍は解放されます。
仙人と、美女がお酒を飲んで、仙人ははじめオズオズ、イヤイヤ、足を踏み鳴らして女官の真似をして踊りだし、、でもだんだんと、興がのってきます・・・そして神通力を失う。
龍が、岩から飛び出し、仙人と大立ちまわり。
とても派手な演出と分かりやすさです。
そして、これに現代劇が絡みます。
現代劇の人がふたり。
小さい時に家を捨てた父を捜す娼婦と、その客である若い男。
女は、父親の額には角があり、人の世では生きにくい人だったと亡き母に聞いています。
そして、男が一角仙人の話をします。
そこで、ふたりは山奥に分け入り、能の舞台となるところを観るわけです。
・・・そんなお話が、絡み合う舞台でした。
正直に言うと、差があり過ぎました。
いろんな意味で。
でも、ナビゲーターになった現代劇で、能が分かりやすくなり、今まで敷居の高さから能楽堂をいかなかった人が、能の面白さを実感できたと思います。
古典と現代劇の融合は、とても難しいと思いますが、いろいろな可能性があって、それを実現するのは、とても大変で勇気のいることと思います。
どちらの挑戦も、応援したいです。
急遽、夏休みをとり、楽しんできました。
また、通常の営業をします。
お彼岸を目前に、大宇陀を吹く風は、秋の気配です。
暑いのも、もう少し、風が涼やかになり、そして、冷たくなります。
通勤途中の棚田も色づき、黄金色の収穫の秋ももうすぐです。
ゆっくりした時間を感じに、大宇陀路においで下さい。
秋の野菜を、「件‐kudan‐」流に料理して、お待ちしています。